山本有三記念館

玉川上水沿いに残る、大正ロマンの洋館

井の頭公園から玉川上水沿いを三鷹方面へ歩いていくと、木々の中に重厚な洋館が姿を現します。ここは、作家・山本有三が1936年(昭和11年)から1946年(昭和21年)まで家族と暮らした旧邸を公開する三鷹市山本有三記念館です。

有三はこの家で代表作『路傍の石』や戯曲『米百俵』などを執筆し、戦時中には自らの蔵書を地域の子どもたちに開放する「ミタカ少国民文庫」も開きました。文学館であると同時に、大正末期の住宅建築を間近で見られることも大きな魅力です。

建物そのものが見どころの三鷹市指定有形文化財

建物は大正末期に建てられた本格的な洋風建築です。スクラッチタイルや大谷石を取り入れた外観、自然石を積み上げたような煙突、個性的にデザインされた3つの暖炉など、当時の流行を取り入れながら複数の建築様式を組み合わせています。

近代の郊外住宅として希少な建物で、1994年(平成6年)に三鷹市の指定有形文化財となりました。文学に詳しくなくても、外壁や窓、扉、暖炉、天井、照明などを一つずつ眺めていくだけで楽しめる洋館です。

暖炉やアーチ、ステンドグラスを探しながら館内へ

館内には、旧食堂や旧応接間、玄関ホールなど往時の部屋が残り、暖炉や木部の装飾、ステンドグラスなどを間近で見ることができます。外観の重厚さとはまた違い、室内には木の温かみと遊び心のある意匠が随所に感じられます。

山本有三の暮らしと作品に触れる

山本有三は劇作家として出発した後、小説へ活動の場を広げ、『波』『女の一生』『真実一路』『路傍の石』などを発表しました。館内では、有三ゆかりの遺品や資料を通して、その生涯や作品、国語改革など幅広い活動を知ることができます。

1946年に建物が進駐軍に接収されたため有三一家は転居しました。その後、建物は研究所や文庫として利用され、1996年(平成8年)に三鷹市山本有三記念館として開館しました。作家が実際に暮らし、執筆した場所がそのまま文学と建築を伝える展示空間になっている点が、この記念館ならではの魅力です。

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有三記念公園と玉川上水の散策もおすすめ

洋館の南側には、山本有三が暮らした邸宅の庭を生かした有三記念公園があります。池や散策路、木々に囲まれた庭園は入園無料で、洋館の外観と一緒に四季の景色を楽しめます。

記念館は玉川上水沿いにあり、三鷹駅から歩いて訪れることができるほか、吉祥寺駅や井の頭公園方面からの散策にも組み込みやすい場所です。にぎやかな吉祥寺の街歩きとは雰囲気が大きく変わり、文学と建築、緑をゆっくり味わえる立ち寄りスポットです。

吉祥寺・三鷹エリアの位置をガイドマップで確認

三鷹市山本有三記念館の施設情報

所在地東京都三鷹市下連雀2-12-27
開館時間9:30~17:00
休館日月曜日、年末年始(12月29日~1月4日)
※月曜日が休日の場合は開館し、休日を除く翌日と翌々日が休館
入館料一般300円、20名以上の団体200円
※中学生以下は無料。ほかにも無料対象あり
アクセスJR三鷹駅南口から徒歩約12分
JR吉祥寺駅公園口(南口)から徒歩約20分
電話0422-42-6233
公式サイト三鷹市山本有三記念館 公式サイト

※開館時間・休館日・料金などは変更される場合があります。訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

Googleマップ

コメント

山本有三記念館は、作家の足跡をたどるだけでなく、大正末期の洋館そのものを楽しめる場所でした。スクラッチタイルの外壁、暖炉、階段のステンドグラス、アーチなど、館内を歩くほど細かな意匠が目に入り、写真だけでは分からない建物の魅力を感じられます。井の頭公園や吉祥寺の散策と組み合わせながら、少し時間を取ってゆっくり見学したいスポットです。

この記事を書いた人
たびる

旅好き|サイト20年目|会社員|大阪在住
全国を巡りながら撮影した写真がたくさんあるので観光案内や登山ガイドを作っています。
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