山全体が緑のミヤコザサに覆われ、景色を眺めながら散策のできる正木峠。
ほんの60年前まで、正木峠は全国的にも珍しい針葉樹のトウヒが森を形成していましたが、1959年、死者5000人を出した伊勢湾台風が大台ヶ原も直撃。多くの木が倒され、それ以降、太陽の日が届くようになった地面は、ササが大繁殖。ササを主食にしている鹿が急激に増え、トウヒなどの木の皮まで食べ尽くし、森が失われてしまいました。
2005年に初めて訪れた時は、たくさんの立ち枯れの木があり、言葉を失うほどのインパクトがありました。
近年では、枯れた木は少しずつ土に戻り、今では立ち枯れの木も少なくなり、かつてトウヒの森があったことも分からなくなっています。